団体名 NPO法人ひがし大雪アーチ橋友の会
〒080-1408 北海道河東郡上士幌町上士幌東3線239番地
Phone 01564-2-3885 fax. 01564-2-3682
http://www3.ocn.ne.jp/~arch/
Email arch@oregano.ocn.ne.jp
代表者 会長 那須襄太郎 設立年度 1999年度 会員数165名

    1.施設概要と設立趣旨(目的)
 旧国鉄士幌線の廃止により、その使命を終え解体の運命にあったコンクリートアーチ橋梁群が保存を願う多くの声に支えられて歴史的文化遺産としてよみがえった。新たな価値が与えられた士幌線跡地及びアーチ橋梁群は私たちの暮らし・産業・鉄道歴史の生き証人として、また自然景観と調和した地域の生き証人として価値の高いものである。当会は、士幌線跡地及びその周辺地域に残存するアーチ橋梁群その他の近代化遺産の保存・利活用に関する事業を行うほか、近代化遺産の保存・利活用を志す人達とのコミュニケーションの促進などを行い生涯学習の発展及び地域社会の形成・発展に寄与すべく必要な事業を行うものである。

2.沿革
 1997年旧国鉄士幌線の廃止により、その使命を終え解体の運命にあったコンクリートアーチ橋梁群を保存するため上士幌町民を中心に「ひがし大雪鉄道アーチ橋を保存する会」を結成。その後、一年間、6千名あまりの署名集めや市民を対象にした現地見学会、利活用提案書の作成など活発な保存活動を展開。その結果、1998年に上士幌町がアーチ橋を取得することになり保存が決定。1999年、地域の住民がアーチ橋と線路跡をより一層、利活用を実践する目的で「ひがし大雪アーチ橋友の会」に衣替え、2002年にNPO法人化した。
活動エリアは旧士幌線の黒石平駅から十勝三股駅までの約25kmである。

3.活動内容
 現在、旧士幌線の5つのアーチ橋と1つのトンネルが国の「登録有形文化財」に、アーチ橋梁群は「北海道遺産」やJR北海道の「準鉄道記念物」に指定されている。当会では士幌線跡とアーチ橋の魅力を知って頂き、この地への来訪者を増やし地域振興を図るためアーチ橋散策地図の作成、線路跡を歩く遠足、各地でのアーチ橋写真展、シンポジウムの開催、全国への情報発信、旧糠平駅に660mの線路を再敷設しての「鉄道トロッコ運行」、線路沿いに桜やもみじの植樹・小鳥の巣箱設置、線路跡の草刈り、アーチ橋の現況調査、指定管理者として上士幌町鉄道資料館の管理・運営などを行っている。2009年度からは傷みの進んできている国の登録有形文化財である第三音更川橋梁の補修費用募金活動を行っている。また「鉄道トロッコ運行」は今年度から、ぬかびら源泉郷のホテルが7、8月に毎日運行を行っているが、森の中や糠平湖畔を巡るコースは乗客から好評を得ている。

 4.これからの展望
世の中ではエネルギーの有効利用や地球温暖化対策などで「鉄道の復権」が言われている。観光においてもマニアの世界であった「鉄道」に女性ファンが増え、鉄道が観光資源になるということが各地の「鉄道博物館」の盛況ぶりからもわかる。北海道内においても各地で鉄道遺産を活用した観光振興が図られているが今まではその力が分散されていた。そこで、このたび道内10団体が集まり「北海道鉄道遺産ネットワーク」を設立し、各団体が連携して鉄道遺産による観光振興を目指すこととした。