(公財)交通文化振興財団は、梅小路蒸気機関車館の運営を行っています。当施設は、国内唯一の蒸気機関車の専門館として鉄道開業100年にあたる昭和47年に日本国有鉄道によって開設されました。蒸気機関車の整備や「SLスチーム号」の運行を行っており、施設の一部は重要文化財指定を受けています。また、当財団が運営しておりました交通科学博物館は、本年4月で営業が終了し、半世紀に及ぶ長い歴史に幕を閉じました。現在は、JR西日本と共に新たな「京都鉄道博物館」の開館に向けて、収蔵資料の整理、展示計画の策定の他、実物展示車両の移設準備や搬出作業を行っています。
総入館者数800万人達成記念ヘッドマークの取り付け
▲総入館者数800万人達成記念ヘッドマークの取り付け

○梅小路蒸気機関車館

普段の生活では馴染みの薄い蒸気機関車について興味や関心をもっていただけるよう、催しを定期的に開催しています。今年度は、7100形蒸気機関車「義経号」の動態展示が可能となるように整備を進める等さらに充実した施設となるように努めています。
 昨年度は、総入館者数が800万人を達成し11月に記念セレモニーを行いました。その他、企画展「切手で見るいろいろなSL」や「昭和20年代の鉄道」等を実施しました。その他、鉄道と縁のあるタレントを招き講演会を行い好評を博しました。また、ご家族で楽しめる催し物として京都水族館と共同でスタンプラリーを実施しました。
企画展「切手で見るいろいろなSL」
▲企画展「切手で見るいろいろなSL」
  企画展「昭和20年代の鉄道」
▲企画展「昭和20年代の鉄道」
  タレントで元国鉄職員	
田中要次氏によるトークショー
▲タレントで元国鉄職員
田中要次氏によるトークショー

○交通科学博物館(現在閉館中)

0系新幹線電車(22-1)
▲0系新幹線電車(22-1)
 

交通科学博物館で保存されていた0系新幹線電車4両は、東海道新幹線開業時より活躍してきた車両で、各形式のトップナンバーです。この保存車両は、平成19年に日本機械学会により「機械遺産」に認定されました。さらに、平成20年10月、鉄道記念物に指定され、平成21年10月には国立科学博物館の「重要科学技術史資料」としても登録されました。また、今年は東海道新幹線開業50周年を迎え、当車両の資料としての価値・注目度はますます高まっています。その他、実物資料を含む交通関係資料は、京都鉄道博物館へ移設に向けて現在、整備を行っています。

博物館開館中は、定期イベントである「ミュージアム探検ツアー」「ミニ列車運転会」「模型鉄道パノラマ」等の実施の他、「さよなら企画展」と題し様々な収蔵品を展示したコレクション展や当館の52年の歴史をふりかえる企画展を実施しました。また、JR西日本の協力を得て現場に保管されている図面や備品等の収集保存を行い更なる資料の充実を図っております。その他、明治期に完成し現在まで使用され続けている駅舎や橋りょう、トンネル等の調査も有識者の協力を得ながら現在も進めております。