キハ601とKR−505

2007年3月31日に廃止になった鹿島鉄道の、2両の気動車、キハ601とKRー505(鉾田市所有)の保存活動を、2両が保存されている、茨城県鉾田市の市営温泉施設『ほっとパーク鉾田』で行っています。
2012〜16年度は、車両の補修・塗装作業と、毎月第4日曜日の定期車内公開を実施しました。
2017年度も、車両の補修・塗装作業と、原則毎月第4日曜日の定期車内公開を実施しています。

【保存車両】 
『キハ601』  1936年(昭和11年)川崎車輌にて鉄道省ガソリン動車キハ42032として竣工。 
         1965年(昭和40年)鹿島参宮鉄道鉾田線キハ42500型キハ42503として入線。 
         1972年(昭和47年)車体を更新し切妻化・貫通化・総括制御化してキハ601となる。 
         1987年(昭和62年)ワンマン化・非貫通化 
         2007年(平成19年)3月31日 最終回送列車でKR.505とともに鉾田駅回着、廃止を迎える 
『KRー505』 1992年(平成4年)新潟鉄工所にて鹿島鉄道KRー500型の4両目として竣工。 
         2003年(平成15年)塗色変更 
         2007年(平成19年)3月31日 最終回送列車でキハ601とともに鉾田駅回着、廃止を迎える

当会が保存活動を行っている、鹿島鉄道の気動車キハ601とKRー505は2008年1月に当会が鹿島鉄道殿から購入したものでした。鉾田駅保存会は、当初賃借した鉾田駅跡地において2両の気動車の保存活動を実施していました。 
その後、紆余曲折があり、鉾田市議会の議決により、鉾田市の温泉施設『ほっとパーク鉾田』において2両を保存することになり、当会は気動車2両を鉾田市に寄付し、鉾田駅の保存車両は2009年12月24日に『ほっとパーク鉾田』へ移送されました。その後当会は引き続き2両の気動車の保存活動を継続しています。

東日本大震災被害の復旧作業
東日本大震災被害の復旧作業
 
鉾田花火大会特別公開
鉾田花火大会特別公開

月例の定期公開では、保存活動の周知と、鹿島鉄道を知らない年少世代への記憶の継承を目的に、下記の様な企画を行っています。  
(1)KRー505車内でのプラレール遊び  
(2)キハ601車内での鉄道模型展示・運転(N・HOゲージ 鉾田駅・常陸小川駅のジオラマ等)  
(3)5インチ乗用鉄道の体験乗車(16m×10mオーバル)  
(4)鉾田駅保存会製作のグッズの販売  
(5)鹿島鉄道関連書籍の展示  
(6)保存活動内容の展示
また、鉾田市主催の『鉾田うまかっぺフェスタ』や、『ほこたマラソン』『鉾田花火大会』『石岡市商工祭』などの地域行事に参加・協力し、広報活動を行っています。

本年度は鹿島鉄道廃止から10年目にあたるため、なんらかの行事をということで、鹿島鉄道保存会殿と共催させていただき『鹿島鉄道廃線10周年写真展』を、3月18日.4月2日の期間、石岡市及び鉾田市で開催いたしました。

車両が保存されている鉾田市当間では、東日本大震災と、その約30分後に至近の鹿島灘で発生した余震により、二度の震度6強の揺れに襲われ、地盤の液状化が発生し展示線のレールは波打ち、展示車両は傾斜し、床下機器が接地しました。キハ601の冷却機の一部は車体とせり上がったレールの間に挟まれ破損し、冷却油が漏洩しました。また、冷却油配管が変速機用と機関用の双方とも破損・変形しました。現在、破損部位の養生修繕方法と予算について検討中です。KRー505は、機関不調のため点検を行ない、燃料配管の不具合と一部部品の経年劣化が判明しました。機関の再起動と、展示線での走行展示の再開を目指し、復旧作業中です。