東海汽缶は、静岡にあるボイラーのメーカーです。昨年4月から大井川鐵道の兄弟会社になりました。これからの蒸気機関車保存のお手伝いをしたくて、日本鉄道保存協会に入会しました。◎現代社会の中の蒸気機関車の存在 21世紀に入り、約20年が経過しようとしている現在、蒸気機関車の存在はどのように一般の方々から思われているのでしょうか?鉄道に全く興味がない方々からすれば「なにそれ・・・」という事でしょう。少しでも蒸気機関車の存在を知っている方からすれば、環境汚染が騒がれている現代社会の中で、煙をまき散らして走る蒸気機関車をこんなにも環境を汚染しているものはないという見方をする方はたくさんいると思いますし、無視はできません。しかし、なぜその蒸気機関車が今求められるのか。蒸気機関車が走れば町が活性化する。沿線地域も潤うというのが、いつの間にか格言となり定着するようになりました。一方、鉄道技術の継承という観点からはいかがでしょうか。明治時代の汽笛一声から日本の経済社会を支え、激動の昭和を乗り越えてきた蒸気機関車の技術を継承しようとする傾向は、日本全国各地でその試みが行われています。現在最先端を行く新幹線や、未来に繋ぐリニアモーターカーも現実化しようとしている中で、その根本は蒸気機関車にあるという考え方は依然根強く残っています。 ◎東海汽缶の方針 東海汽缶では、昭和53年より約40年間大井川鐵道で使用中の蒸気機関車ボイラーについて、整備に携わってきました。一度廃止になったボイラーの復活、日頃の水漏れ箇所の修理など、長年にわたる実績と経験を活かし、今後は全国各地で活躍する蒸気機関車のボイラー整備について、技術力を提供させていただければ光栄です。また、移動式ボイラー特有の不具合や、蒸気機関車を構成する部品の一つとしての取り扱い方の注意点など、ボイラーのみでなく、蒸気機関車の寿命を延ばすためのご提案をさせていただきたいと考えています。さらに、整備作業につきましては、無駄を省き、手抜きのない必要最低限の整備をスローガンに掲げ、整備にかかる費用をできる限り低く抑え、より多くの皆様のご期待にお応えしたいと考えています。 ◎蒸気機関車に関わる主な実績(大井川鐵道の例) ・C11190号の使用検査を伴うボイラー整備工事 ◎東海汽缶にできること (1)ボイラーの修理等に関わること |