三菱大夕張鉄道保存会について

昭和62(1987)年7月、三菱石炭鉱業鉄道(三菱石炭鉱業株式会社南大夕張鉱業所鉄道課)として三菱鉱業大夕張鉄道時代から夕張市大夕張鹿島、南部またその沿線の炭鉱から産出された石炭や林材、また住民の足となっていた鉄道が炭鉱会社の合理化で廃線となり南大夕張駅跡地に遺されたラッセル車、客車、セキ車などは一時期個人に譲渡され、ライダーハウスなどに活用されていたが、個人が高齢のために車両を夕張市に再譲渡。
しかしながら譲渡された車両群はほぼ手付かずのまま放置。荒れ果てた状態になるのには時間はかからなかった。さらには平成11(1999)年の春に屋根上積雪のため客車1両が倒壊の危機となり、夕張市南部地区の地元有志、元住民、元鉄道職員、鉄道ファンが集結。シューパロ塾を結成。町おこしのための学習団体としながらも南大夕張駅跡地の車両群の補修を始め、車両を修復保存するための専門団体を派生させたのが三菱大夕張鉄道保存会です。
以来、所有者の夕張市と協議しながら車両の修復・保存活動とともに夕張の鉄道や炭鉱の歴史を研鑚、広報する活動を主軸としている団体ですが、相談を受けることに依り創会以来蓄積した修復技術を他の鉄道車両保存団体に提供することも行っています。

今年度の作業の様子
今年度の作業の様子 今年度の作業の様子
技術支援している長沼町の夕鉄25号機
技術支援している長沼町の夕鉄25号機

今年度の活動報告

今年度は新型コロナウィルス感染防止のため、例年通りに保存車両の冬囲いは4月に解き公開はしたものの会の活動方針を決める定例総会は7月にずれ込み、夏季間の月一回の定例活動は6月から。
毎年9月に開催していた「汽車フェスタ」は、過疎の町となった夕張市南部地区に残された唯一の地元のお祭りとなっていましたが、9月現在、夕張市の感染者はゼロで、地域の高齢者も楽しみにしている集いすら催し出来ない状況下で、夕張市外からたくさんの人が訪れる汽車フェスタは地元の皆さんの脅威になる可能性も考えられ、今年度は未催行としました。
他団体支援事業としては、「密」を避けるため公募はしていませんが、今年度も長沼町・長沼町青年団体協議会を支援。長沼町コミュニティー公園に保存されている夕張鉄道25号機の前照灯、運転室内照明などを整備し点灯することができました。
夕張市南部の南大夕張駅跡地の保存車両の冬囲いは11月上旬の予定で、それまでは一般公開しています