碓氷峠鉄道文化むらのある松井田町は群馬県の南西部に位置し、碓氷峠をはさんで長野県の軽井沢町と接しています。峠のシェルパEF63形機関車の基地であった旧横川機関区の跡地で、東京ドーム3.5個分のスペースがあります。
峠の鉄道の歴史は古く、明治の初めに東京~京都間を碓氷峠越えの中山道案で結ぶと決定されましたが、明治19年にこの峠が難関のため東海道本線経由に変更された経緯のある所です。しかし、明治26年には日本で初のアプト式鉄道の採用で開通しましたが、11.2㎞で標高差553mもあり、トンネル区間が多いため当時蒸気機関車の煙害防止のため、明治45年にこれまた日本初の幹線電化区間となりました。日本の鉄道技術の発展はこの峠から生まれたと言っても過言ではない線区でした。
時移り平成9年、長野オリンピックの開催を控えて、同年10月1日の長野新幹線の開業と同時に併行在来線として104年の歴史にピリオドを打ちました。旧機関区周辺は鉄道の街として発展してきましたが、廃止に伴う過疎化防止と地域経済の核として、旧松井田町が群馬県・JR東日本の協力により平成11年4月にオープンした鉄道の広場です。今年で開園21年目を迎えました。
信越本線横川~軽井沢間(通称、碓氷線)は廃線後早21年が経とうとしており、廃線間際の熱気も潮が引くように静かになってしまいましたが、この廃線敷を使い近代化遺産第1号に指定されている、丸山変電所跡を通り峠の湯までの2.6㎞を3月~11月の間の土日祝日と8月のお盆過ぎまで、トロッコ列車が運行しています。
また日本で唯一のEF63形電気機関車の運転体験も2,820人が受講されています。2019年度は58名の受講者(内、女性1名)があり、のべ3,249回の体験を楽しまれました。また、通算500回以上運転された方が5名おります。2020年度も引き続き多くのお客様が受講され、運転体験を楽しまれています。
園内奥に留置されている189系あさま号(JR色)の塗装が行われ、今後はイベント等で車内公開を行っていく予定ですが、屋外に展示されている車両や動態保存しているEF63形電気機関車の保存方法や修繕方法など、貴重な車両をどのように後世に残していくかが課題となっています。

運転体験で使用しているEF63形電気機関車
運転体験で使用しているEF63形電気機関車
トロッコ列車シェルパ君
トロッコ列車シェルパ君
屋外に展示されている車両
屋外に展示されている車両
鉄道展示館と189系あさま号
鉄道展示館と189系あさま号