那岐駅舎を守る会の活動支援

那岐駅は、山陰本線鳥取駅と姫新線東津山駅を結ぶ地方交通線因美線の鳥取県と岡山県の鳥取側県境の駅で、両県をつなぐ物見トンネルの鳥取県側入口に位置する駅で、昭和7年(1932)開設、築後90年の建造物である。急峻な地理条件から改札からホームまで急な階段となっているユニークな駅である。
この路線は、平成6年智頭急行の開設によって智頭駅から姫路駅までの別ルートの線路が生まれて利用する列車が激減し、JR各社のスリム化計画などの影響でその存続が厳しくなっている。このため地元住民を中心として「那岐駅舎を守る会」が結成され、NPO市民文化財ネットワーク鳥取もこの運動を支援することとなった。智頭町は、この駅舎を診療所とデイサービス施設として利用し、鉄道利用以外の駅舎利用を模索している。
「那岐駅舎を守る会」は、各種の取り組みを行っているが、その一つとして駅舎をギャラリーとして活用し、駅舎に懐かしい昭和初期の駅舎や鉄道の写真パネルを展示し、観覧した方々の意見を求めるなどして鉄道並びに駅舎が人々の生活の中で重要な意味を有していたことに対する人々の認識を深めようとした。

那岐駅舎を守る会

2022年8月5日には、鳥取・岡山両県の知事が那岐駅舎を守る会の駅舎ギャラリーを訪れ、各々、地方鉄道の存続のために協力する意欲を示した。
駅舎は、診療所とデイサービスとして使われており、駅舎が地域住民にとっては鉄道利用以外にも重要な地域施設となることを示す好事例と言えよう。

那岐駅舎を守る会

那岐駅舎の前で鳥取・岡山両県知事と智頭町副町長、「那岐駅舎を守る会」の人々。
駅舎入口の左に那岐診療所とミニデイサービスの看板が見える。