キハ601とKR-505の保存活動をしています

当地では珍しい雪のほっとパーク鉾田展示線(2011年1月16日)
当地では珍しい雪のほっとパーク鉾田展示線(2011年1月16日)

2007年3月末で廃止になった鹿島鉄道の2両の気動車(キハ601・KRー505)の保存活動を行っています。
キハ601は昭和11(1936)年川崎車輌製のキハ42032(後のキハ07)で、鹿島鉄道廃線時には全国で最古の営業用気動車でした。2024年に米寿を迎えます。
鹿島鉄道の開業は大正13(1924)年であり、開業100周年も 2024年となるため、祝賀イベントの実施を検討しています。(鉾田までの全線開業は昭和4(1929)年)
KRー505は平成4(1992)年新潟鉄工製の鹿島鉄道独自の気動車で来年2022年に製造30年となります。

当保存会は、2両が展示されている、茨城県鉾田市の市営温泉施設『ほっとパーク鉾田』において、月例の定期車両公開イベントと、車両の保全・補修作業を実施しています。

保存活動を行っている鹿島鉄道の気動車、キハ601とKRー505は廃線後の2008年1月に当会が鹿島鉄道殿から購入したものでした。
当初、鉾田駅保存会は賃借した鉾田駅跡地において2両の気動車の保存活動をしていました。
その後、紆余曲折があり、鉾田市議会の議決により、鉾田市の温泉施設『ほっとパーク鉾田』において、2両を保存することになり、当会は2両の気動車を鉾田市に寄付し、鉾田駅の保存車両は2009年12月24日に、『ほっとパーク鉾田』に移送されました。2010年度より、現在地での車両公開イベントを開始しています。
2011年の東日本大震災で路盤の液状化により道床の破壊と車両の傾斜・床下機器損傷等の被害を受けました。車輛を一時的に移動して道床の復旧が行われ、2011年12月に元の道床に復帰し、2012年3月より当会は公開イベントを再開しました。
以後4〜12月の第4日曜日の定期車両公開イベントを継続実施してきました。並行して天候の比較的安定した12〜3月に全塗装等の大規模補修作業を行い、その他の保守作業は随時実施してきました。
2020・2021年度は新型コロナウィルスの感染防止対応のため、周囲の状況を熟慮しつつ、条件の整った場合は公開を実施しています。

 

    

定期公開では活動の周知と、鹿島鉄道を知らない世代への記憶継承を目的に下記の企画を行っています。
(1)鹿島鉄道関連資料・書籍の展示
(2)保存活動内容の展示・広報
(3)KR.505車内でのプラレール遊び
(4)キハ601車内での鉄道模型展示・運転
    (鉾田駅・常陸小川駅のジオラマ等)
(5)5インチ乗用鉄道の体験乗車
    (16m×12mオーバルほか)
また、鉾田市や商工会主催の『鉾田うまかっぺフェスタ』『ほこたマラソン』『鉾田花火大会』『ほこたいっぴんマルシェ』や、『石岡市商工祭』などの地域行事に参加・協力し、広報活動を行っています。現在は地域行事がコロナ対応のため縮小傾向であることから、酷暑期と冬季を除く月1度、小美玉市の茨城空港そばの『空のえきそ・ら・ら』での出張広報活動を実施しています。
今年度は5月から車両公開を開始しました。7月公開では導入した大容量スイッチング電源で、キハ601の電装系を生かし前照灯・室内灯の点灯を行いました。しかし、8月の夏季公開・定期公開、9月の定期公開はコロナ対応のため中止せざるを得ませんでした。10月より定期公開を再開し10/31・11/28に実施する予定です。
廃線から14年が経過し、毎年補修・塗装を行っているとはいえ、車両の劣化も進んでいます。
ただ錆びを落とし塗装をするだけでは凌げない箇所も多々あり、技術力(塗装・防錆・溶接等)の向上と補修用機器(溶接機等)の導入、そして人員の強化が変わらぬ大きな課題です。

前照灯・室内灯を点灯したキハ601
前照灯・室内灯を点灯したキハ601