赤沢森林鉄道は、1987年の復活から34年となりました。しかし新型コロナウィルスの世界的な蔓延で、運行状況はかつてない窮地を迎えています。

それまで、毎年コンスタントに4〜6万人が乗車されていましたが、コロナ禍により旅行産業が一気に沈下。来訪者は例年の20〜30%に留まっています。特に貸切バスを利用する団体ツアーは、感染を敬遠するため来訪者全体の1%を切りました。これまで30年以上の運行でも、初めて経験する最悪の状態です。
このコロナ禍がいつまで続くのか危惧しながら、一日も早い収束を願うばかりです。

利用者の減員に伴って、赤沢森林鉄道も運行形態を変更しました。
これまでは平日・祝祭日でダイヤを分けていましたが、これを繁忙期・閑散期に分け、土日でも来訪者が少ない際には運行時間に間隔を設けています。また閑散期の平日は、通常5両の客車を3両に減らし、人員と消耗品の圧縮に努めています。

赤沢森林鉄道撮影会

2020年秋には、消毒や感染対策を万全にし、ツアー会社とのタイアップで赤沢森林鉄道撮影会を開催しました。

2日間にわたり、のべ40名の鉄道ファンが愛用のカメラに車両の姿を納めていました。

撮影には専門のスタッフも同行し、普段は静態保存されている蒸気機関車にスモークの演出で現役当時の様子を再現。夜にはライトアップして印象的な趣を整えていただきました。

本年秋にも、このイベントが開催される予定です。既にご予約はいっぱいで、秋の紅葉シーズン、天気と色付きに恵まれることを期待しています。

機関車AFT-02

2010年に導入された機関車AFT-02が12年目を迎えました。製造当時は国内で多くの部品が入手できましたが、製造拠点の海外進出や統廃合により、損耗部品の欠品が見られるようになってきました。

幸いにしてAFT-01との共通部品が多いため、パーツをやりくりしながら延命することになりそうですが、これからの営業には十分に応えられないかも、という不安がよぎります。

現在の森林鉄道の運行ノウハウは、先輩たちから引き継いだ貴重な技術と文化です。一度でも途切れると再開は極めて困難なため、コロナ禍と施設の老朽化に負けないよう立ち向かってゆかねばなりません。

赤沢森林鉄道保存の奮闘は、まだまだ続きます。

【赤沢森林鉄道 運行情報】

旧国鉄「上松駅」を起点に縦横無尽に張り巡らされていた木曽の森林鉄道が1975年に廃止となったことは皆様もご存じのとおりです。
それから50年近くが経過する中で、木曽の森林鉄道が日本遺産に認定(王滝森林鉄道)されていますが、この他にも木曽の森林鉄道は2013年度に(一社)日本森林学会から林業遺産認定を受けていますので、赤沢森林鉄道のルーツでもある「小川森林鉄道」の認定遺構をあらためてご紹介します。

運行期間:2021年4月28日〜11月7日 11月8日以降は冬期運休
運行時間:閑散期=10:00〜15:00まで1時間毎、繁忙期=9:30〜15:30まで30分毎
料  金:中学生以上900円、4歳〜小学生600円 夏休みイベント期間は+200円
     団体15名以上100円引き、 
     障がい者ご本人 半額  介添え者 団体料金

運行情報:上松町観光協会 https://kiso-hinoki.jp/colibri-wp/tourist/赤沢森林鉄道/