九州鉄道記念館に展示中の「キハ四二〇五五号気動車」
(キハ〇七形四一号気動車)」が国の重要文化財指定へ!

JR九州が所有する九州鉄道記念館(福岡県北九州市)で開館当時から展示している「キハ四二〇五五号気動車」(キハ〇七形四一号気動車)が、2021年10月15日(金)に国の文化審議会において、重要文化財(美術工芸品)に指定をすべきとの答申を受け、重要文化財に指定される運びとなりました。九州に存在する鉄道車両としては初めて、また、「気動車」としては日本で初めての指定となります。当社では、重要文化財の意義、重要性を認識したうえで、引き続き展示車両として、加えて文化財としての保存に努めてまいります。

車両の概要について

(1)気動車の概要
気動車(きどうしゃ)とはエンジンを搭載した列車の車両のことで、運転に必要な動力源として、内燃機関を搭載して自走する鉄道車両です。

(2)車両の概要
〇仕様
 製造年:1937年
 製造会社:日本車輌
 車体長さ:約19m
 重さ:約27トン
 定員:120人(製造時)

  キハ四二〇五五号気動車 外装
外装
  キハ四二〇五五号気動車 車内
車内

〇特徴
戦前の代表的な機械式(クラッチで変速する方式)気動車で、連結運転の時は双方の運転士が合図しながら走っていました。昭和27年にはガソリンエンジンをディーゼルエンジンに変更しており、中央2枚が大きい6枚窓と大きな曲面を描く独特の前面も特徴です。

〇当該車両の歴史
 1937年(昭和12年)日本車輛製造株式会社にて製造
 1952年(昭和27年)ガソリンエンジンからディーゼルエンジンに変更
 1957年(昭和32年)豊後森機関区に配置され宮原(みやのはる)線で使用
 1969年(昭和44年)引退(引退後、豊後森機関区や大分運転所で保管)
 2003年(平成15年)九州鉄道記念館にて展示車両として保存

(3)文化財としての評価
 ・車体や内装の多くに製造時の姿をとどめ、昭和初期の旅客車の現存例として重要である。
 ・機械式の変速装置が残っている唯一の同形車輛である。
 ・車体の大型化と軽量化、ガソリン機関の出力向上と運行速度の高速化、車両の国産化と標準化を達成し、日本の気動車の技術発達史を俯瞰するうえで貴重であり、鉄道史、社会・経済史、科学技術上において重要である。(文化庁報道発表資料より抜粋)