ごあいさつ

 
 

新型コロナウイルス感染症拡大が収まらず、2021年度(平成3)の総会・見学会も開催が懸念されておりましたが、栗原市さんのご英断もあり、この度2年ぶりに開催の運びとなりとても喜ばしく存じます。

しかし、この影響で歴史的車両の動態保存や運行、これに関連した観光振興などが停滞し、皆さまにおかれましても活動に苦慮する日々が続いておられることと拝察しており、心よりお見舞い申し上げます。どうぞ、皆で力を合わせて、明日に向かって頑張って参りましょう。

さて、鉄道文化財を取り巻く社会環境は、上向きにあります。文化庁が近代化遺産として歴史的車両の文化財指定を、これまで以上に推進しているからです。今年度は、国鉄一号路線バス(JR東海/リニア・鉄道館)、キハ07形気動車(JR九州/九州鉄道記念館)が、国指定重要文化財になりました。おめでとうございます。

財団法人観光資源保護財団(現・(公財)日本ナショナルトラスト)が1984年度(昭和59)に行った全国鉄道文化財調査のリストの中にもキハ07形は掲載されております。当時、文化財と言えば史跡、名勝、天然記念物、社寺仏閣、民家、町並み等が主流であり、「歴史的車両なんて文化財じゃない」と文化財調査官からお叱りを受けた記憶があります。今や歴史的車両、施設構造物等は押しも押されない近代化遺産として文化財になり、隔世の感があります。

そして、来年2022年は鉄道開業150周年です。1872年(明治5)10月に新橋ー横濱間に我が国初の鉄道が開業しました。日本鉄道保存協会は、代表幹事団体の公益社団法人横浜歴史資産調査会と供に鉄道開業150周年委員会を設け、横浜を中心とした鉄道と生活文化をテーマに冊子の発行、イベントの開催、ロゴマークの作成を検討しております。

日本鉄道保存協会は、1991年(平成3)に発足し、今年で30年です。来年の総会、見学会は、鉄道開業150周年と当会発足30周年を記念して、鉄道発祥の地「ヨコハマ」で開催いたしたく存じます。

引き続き皆様のご支援、ご協力をよろしくお願い申し上げます。

2021(令和3)年11月吉日          
日本鉄道保存協会 代表幹事団体            
公益社団法人 横浜歴史資産調査会(ヨコハマヘリテイジ)
会長 宮村 忠