日本鉄道保存協会は平成3年(1991)に設立され、今年2024年(令和6年)で33年目を迎えます。当初は7団体の加盟でしたが、今日60団体を越える正会員や賛助会員、さらに個人会員である友の会ができるなどし、組織は拡大いたしました。これもひとえに会員皆さまの格別なご支援、ご協力の賜物であると信じて止みません。
設立当初からご指導を賜りました青木栄一先生、小池 滋先生、松澤正二先生も故人となられましたが、先生方の教えを受け継いで活動を続けてまいりました。心より、感謝とお礼を申し上げる次第です。
また、トラストトレインの保全活用に端を発し、同協会を設立し、代表幹事団体と事務局を受け持って頂きました公益財団法人日本ナショナルトラスト、さらにその後は、菅建彦様のご英断で引き継いでくださいました交通博物館(公益財団法人交通文化振興財団)、公益財団法人交通協力会に改めてお礼申し上げます。おかげさまで活動は順調に進んでおります。
さて、今年の総会・見学会は馬路村・魚梁瀬(高知県)であります。当協会の設立初期から正会員として加盟され、活躍されてこられた清岡博基様とは長いお付き合いになります。昨年11月3日より開催されました「全国森林鉄道サミット」に参加させていただき旧交を温め、また新たな活動へ向けて意気投合いたしました。そのご縁もあり、馬路村・魚梁瀬での総会・見学会開催の運びとなりました。
ご存知のとおり、魚梁瀬杉は秋田杉、吉野杉とともに、我が国の3大美林と呼ばれ、馬路村は林業が栄え、古くからその搬出に森林鉄道が活躍しておりました。そして、今も地元の皆様のお力でその雄姿に接することができます。しかも、動態保存であります。大いに賞賛いたしたく存じます。
また、地場産品の「ゆず」は、地域活性化の切り札として地元経済発展におおいに寄与いたしております。「森林鉄道とゆず」は将来に亘る豊かな地域づくりの核となることでしょう。
私たちも活気溢れる馬路村の活動に触れ、明日の鉄道遺産の保存活用や地域活性化を考えてみましょう。
開催にあたり、馬路村、馬路村農協、中芸のゆずと森林鉄道日本遺産協議会に心よりお礼申し上げます。
日本鉄道保存協会代表幹事団体
公益社団法人横浜歴史資産調査会
事務局長 米山 淳一
|